ICD植え込みを決断

ICD(植込み型除細動器)を突然死予防(1次予防)で植えこんだ20代のブログ

ICD植え込み体験談〜手術当日〜

今回は第6回目で初めて植え込み手術の内容についてお話します。

※何度も書きますがこの内容はあくまでも私が体験・経験した内容です。担当される先生や病院、個々人の状況に応じて異なるところがありますのでご注意ください。

 

麻酔の種類

まずは手術内容の説明を受けました。ここでは以下の別記事でもお話した尿カテについての説明と併せて麻酔の選択をしました。

 全身麻酔(完全に眠っちゃう)か局所麻酔(実際に手術を行う部位にのみ麻酔薬を注射する)を選択することになりました。

全身麻酔は怖いなーと勝手に思っていたため局所麻酔を選択しました。

だって、薬を入れたら眠っちゃうだなんて怖すぎます。。。起きなかったらどうしようとか変なことばかり考えて不整脈頻発しちゃいます!!

 

ってことで局所麻酔になったわけですが、それが後にあんなことをされるとはこの時には考えもしませんでした。

 

手術内容

ICD植え込み手術は以下の流れで行います。

  1. 左胸(聞き手が右手だったため)を4〜5cmほど切開します
  2. 皮下組織(脂肪とか筋膜?)を電気メスで焼きながら掘っていきます
  3. 筋肉まで到達したらそこにICDを入れるポケットを作り固定します
  4. ICDのリードを入れます(私の場合は電気ショックだけなので1本です)
  5. ICDのチェックを行います
  6. ICDを袋に詰め込みます
  7. 切開した部分を縫合し終了

たったの7ステップ!簡単ですね!!

ちなみに、私は当初1時間ぐらいで終わるよーって言われていましたが2時間以上かかりました・・・><その理由は後ほど・・・

手術室に入室!

人生初手術室!ドラマとかで見たことあるようなあの空間に入れるのか!とワクワクしていましたが運ばれていった先は見覚えのある場所・・・

ん・・・?看護師さん行き先間違ってない?ここ放射線科だよ?

 

別に間違っていなかったようです。そうなんです。手術はカテーテル検査室で行うようです。

「また苦しかったあの狭い検査台に横になるのか・・・」

「この部屋寒いんだよな。。。今回は下は履いたままだからいっか」

とかもういろんなこと考えてました。

 

カテ室ってなんであんなに寒いんでしょう。足が冷えまくりです。

術後のバイタルチェックで足で血中酸素量とか調べようと思っても冷えきっちゃってて測れないの・・・

 

手術台へ

手術台っていっても例のごとく狭い検査台の上に横になる。

私の身長は長身で190近くあります。なので超ぎりぎり。

横になった後は服を脱がされ、胸にパットを何枚も貼られ足をなにかで挟まれ周りでは何人かの看護師さん?が動きまわってました。まるでまな板の鯉のようです。

 

そして、そこに先生が登場。

左胸の消毒を始めました。

 

そこで驚いて先生に聞いてしまいました。

なんと消毒液が温かいんです。

びっくりしましたよ。冷たいのか・・・と覚悟を決めていたのに生暖かい感触。

一番の感動です。優しさに泣きそうになりました。(脚色無くマジで泣きそうでしたww天使に見えました)

 

消毒後穴の空いた一枚の布をかぶせました。

よくドラマとかで見る患部だけ穴が空いたあの青いやつですね。

顔にも被せられ私から患部は見えない状態になりました。

 

手術開始

さぁ。いよいよ手術が始まります。

メス!とかセッシ!とか機械出しの看護師さんに向かって言ったりするのかな!とかワクワクしていましたがそんな様子はありませんでした・・・

 

まずは患部に麻酔をしました。チクっと痛かったです。

その後細いもので突いて「ここは痛いですか?」とかやり取りしていました。

私はすべての問に「痛いです」と答えました。

そうです。麻酔が全然効いてこないww

麻酔をどんどん打っていきました。

そして、ようやく押されている感覚だけになりました。(その状態になるまで何回も麻酔を打っていました・・・)

1.左胸切開

4cmほど横に切ります。

先生「それでは始めますねー」

・・・

俺「もしかしてもう切ったんですか?」

先生「そうですよー。もうぱっくりです。」

全然わかりませんでした。切られている感覚もありませんでした。

麻酔すげーーー。

2.電気メスで穴を掘る

ジリジリという音とともに焼ける匂いがしてきました。

俺、いま、焼かれてるんだな・・・そう考えてました

 

ここで予想外の出来事が起きます。

 

先生「んー。これが筋膜?」

助手「いやー違うと思いますよー。まだ脂肪かな」

助手(にしても深いなー)

先生「これもまだ?」

助手「んー。刺激しても動きませんからねー。まだですね」

先生「あー。これだね。ここが筋膜だね」

助手「あー。そうですね。これですこれです」

 

はい。ここまで数十分掘ってました。

結構深かったようです。

 

ここでも深くなるに連れてどんどん痛くなってくるためさらに麻酔追加。

 

3.ポケットを作る

ここが一番痛かった。麻酔なんて効果ない。

もう不整脈出まくりで血管爆発するかと思ったぐらい痛かった。

 

肉を手で削ぐイメージです。

傷口の横のラインにしか麻酔は無いのでそこから下方向なんて痛いに決まってる。

それが予想以上ってかもうマジで殺しにかかってるんじゃないかってぐらい痛かった。

 

俺が「痛い・痛い・痛い・痛い・痛い・痛い・痛い・痛い」

って叫ぶと

先生「痛いよねー。ごめんねぇーー。一回休憩しようか」

 

これの繰り返し。

流石に先生も想像以上の血圧の上昇と脈の乱れ、呼吸の乱れにとある薬の投入を決めたようです。

名前は知りませんがその薬を投入した瞬間、頭がボーッとなって気持ちいい感覚になりました。

眠気もありましたが「ここで寝たらだめだ!!」と雪山で遭難した人のようなことを考えていたりしました。

 

そして、30分ぐらい痛みと格闘し無事ポケットは終了しました。

ホント、全身麻酔だったらこの痛みなかったんじゃないかな・・・

 

4.リードを入れる

特に書くことはありません。

なぜなら無感覚だからです。

え?終わったの?って感じでした。

 

5.ICDのチェックをします

抵抗値とかなんかいろいろチェックしてました。

きっとワイヤレスだったと思います。医療技術ってほんと進歩してます。

なんで分かるんだろってぐらいです。

その技師さんとは術中も雑談してました。

 

俺「ICDって定価いくらぐらいなんですか?」

技師さん「んー。リード併せて400万は超えるよ」

俺「車買えますやん!」(なぞのエセ関西弁)

 

6.袋の中にICDを入れる

痛い思いをして作った袋にICDを入れます。

ただ、ここも痛かった。。。

 

なぜかは簡単です。

袋はいままで薄い状態でありました。

そこに1cmぐらいの厚みのあるものを入れるんです。

広がりますよね。空間が。

 

その痛みはすぐ終わったのでひとまず安心。

 

7.傷口を縫合

傷口を縫い始めます。

が、ここでもまた予期しない出来事が。

俺「ん?なんかどんどん痛くなってきたぞ。こ、、これ麻酔切れ始めてません?」

先生「あー。そうね切れてきてる・・・想像以上に時間かかったからね・・・」

俺「縫うたびに痛いんですけどーーーー」

先生「我慢してー。あともうちょっとだからー」

俺「痛い・痛い・痛い・痛い・痛い・痛い・痛い・痛い・・・」

 

そんなこんなで縫い終わり手術終了です。

 

全身麻酔は怖いけど痛さにくらべたらそっちもいいかも。。。

 

術後に聞いた話ですが、使える麻酔の量いっぱいいっぱいまで使ったそうです。

普通はこんなに麻酔使ってたら終わった後気持ち悪くなるとのことでした。

 

ただ、私は不幸中の幸いで特に気持ち悪くはならず、ただ疲れた状態で嫁と対面後すぐに寝てました。

 

植え込み機器

私が植え込んだ機械はBIOTRONIK社のMRI(3.0T)対応のICDです。

ICD手帳にもMRI対応だよ!って書かれていました。

 

手術は楽勝だろ!とか考えてた俺がアホでした。

やっぱり痛いし、疲れるし、大変でした。

でも、先生とおしゃべりしながら進められて結構楽しかったです。

 

余談

術中に1つトラブルがありました。

 

なんと、左足がつったのです・

そりゃあんなに寒い空間に足が晒されてればつりますよ。

でも、俺動けない。でも、痛いどうしよ!

俺「あ、、足がつる」

先生「え?なんて?」

俺「左足がつったーーーーー」

看護師「これでどうでしょう。」

(看護師さんが足を温め曲げてくれます)

俺「あぁ・・・・いいです・・・」

 

みなさんも術中何かあれば遠慮なくおしゃべりしましょう。

でも、手術の邪魔はしないように!!